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葉室麟、卒業後 [読書録]

4月21日(日)、ブランチ後食料の買い出しに、新設のスーパーに着いたときポツリときた。お値打ちだったカーネーションを仏壇用に。隣接のホームセンターへ行こうとしたときは本格的に降り出す。濡れるのが嫌だったので福ちゃんには悪いと思いつつそのまま帰る。


2時から始まる中日×阪神を観ようと急いだわけだが雨のため開始が1時間弱遅れる。こっちが降り始めたならばむこう(甲子園)はとっくに降っていることに考えが及ばなかった。
浅はか(>_<)

6回の裏に3点入れられ7回が始まった時に眠ったようだ。聞こえる音が変わったので気付いたのだろう。コールドゲームとして終わっていた。4連敗していよいよ中日の本領発揮というところか。
こういう1日だったので写真はシャクナゲしかない。
一昨日
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今朝
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昨年、来年は必ず4つか5つ咲かせるぞー、と手を打っていたのに今年も1つだった。肥料はけっこう与えていたのでやっぱり陽当たり不足なのだろう。
来年も1つでいい、ということにして負け惜しむ。


今夜も本読んで眠ろ。
今は【2024-08 岡本さとる『がんこ煙管 取次屋栄三②』(祥伝社文庫)】あと1話で終わる。
このところ読む方に専念し【2024-03 葉室麟】後の読書録の記載が後回しになっている。
忘れないうちにタイトルだけを記しておく。
【2024-04 山本周五郎『さぶ』(新潮文庫)】 3月30日読了
【2024-05 辻藤魁『風の市兵衛』(祥伝社文庫)】 4月3日読了 
【2024-06 辻藤魁『雷神 風の市兵衛②』(祥伝社文庫)】 4月10日読了
【2024-07 岡本さとる『取次屋栄三』(祥伝社文庫)】 4月15日読了


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草雲雀(くさひばり) [読書録]

3月10日(日)、昨日も今日も寒いです、昨日よりは風がない分少しましでしたが。
昨日の明け方は、どこかの会社が発行したくじに当たり400万円をゲットした楽しい夢を見ました。宝くじではなかったことは間違いなく、なぜ400万円なのかは分かりません。


なんか素敵な日のような予感がしたのでバレンタインジャンボ10枚とスクラッチ5枚を購入してみました。とりあえずスクラッチを削ったところでは2枚の当たりで損失が600円でした。22日抽選のバレンタインジャンボに大きな期待を寄せています。
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真ん中が自分で回りが相手です。2勝は200円、6勝すれば300万円の当選です。


【2024-03 『草雲雀』(実業之日本社文庫)】、372ページの1行たりとも退屈することなく二晩半で読み上げることができました。やっぱり葉室さんには惹きつけられます。
草雲雀は、りり、りり、りり、と一晩中澄んだ音色で草むらに鳴くコオロギに似た虫だそうです。
主人公の栗屋清吾は武士の家に生まれたものの嫡男ではないため兄の世話になる「部屋住み」の立場であり藩の役職に就くには婿養子になるしかありません。しかし女中のみつと相思相愛の仲となり一生添い遂げたいと決心しました。
一方、友人の山倉伊八郎は元筆頭家老国東武左衛門の妾腹(実は藩の忍びの女頭領)の子で山倉家に養子に出され清吾と同じ部屋住みでした。家老を継ぐはずの兄が死亡(毒殺された)したため国東家へ引き取られようとしたのですが、伊八郎が家老に就任するまでには派閥の争いの中に巻き込まれ命も危ないので清吾に用心棒を依頼しました。伊八郎が家老として認められた時は藩の剣術指南役に取り立て、みつとの生活も安心して送られることが約束されたわけです。清吾は弱いくらいにおとなくし優しい人ですが剣術においては片山流の秘技「磯之波」の居合の使い手です。
清吾が伊八郎に放たれた刺客や派閥に仕える剣の名手たちから伊八郎を守り終えた時、伊八郎は父の武左衛門に、「これなる栗屋清吾がわたしを助けましたのは、兄の厄介になって暮らす三男坊の境涯から抜け出し、妻との間に子を生したいという、まことに草雲雀のごとく小さな望みを果たすためでございました」、「わたしも国東家の家督を継ぐまでは草雲雀のごとく小さい者として生きておりました。しかし此度、家督を継ぎ、派閥を率い、家老になる身になってあらためて思い知ったのは、ひとが何事かをなすのは、大きな器量を持つゆえではなく、草雲雀のごとく小さくとも、おのれもひとも裏切らぬ誠によってだということでございます」。
伊八郎の器量を試していた武左衛門が、「どうやらお前はわしの子に間違いがないようだ」と認めました。
最後は人質に取られていたみつを清吾が助け出し、みつは清吾に「ひとはひとりでは生きていけませぬ。いとしいひとを大事に思える、深い心を持ったひとになってもらいとうございます」と。
本作の肝は草雲雀に例えたこのあたりだろうと思います。
性格の反する清吾と伊八郎の会話の中には友人らしいくすっとした笑いもあり、人の誠について多くの登場人物を描きつつ剣を交える描写も緊張感があり素晴らしい作品で、今後これ以上の葉室作品には出会えないような気がします。


我が家には草雲雀はいませんがメジロはかなり慣れてきたので小庭前にいても来てくれるようになりました。
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サクラソウ
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夕食の減塩食を持ってきてくれたおじさんが、
「此処はメジロが来るんですねえ」
「メジロもシジュウカラもヒヨも来るようになりました」
「ヒヨはねー」

わたしもそうなんですがヒヨドリも受け入れられるようにならなくては、です。


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心筋リハビリが休みなので [読書録]

2月27日(火)、2人いた理学療法士さんのうち1人が辞めて、次の人の応募がなく残った1人の都合で休みになったものと推測です。うちの近くにも心臓リハビリクリニックがオープンしたので、リハビリ科のあるハートクリニックはこれから重宝がられると思います。


今や死因の第2位は心臓関係で、山本陽子さんも急性心筋梗塞でしたねえ。私も危なかったとまたしても思っています。
休みになったおかげで、とっくに読み上げていた本の備忘録をアップできてちょうどいいです。

【2024-02 三浦しをん『風が強く吹いている』(新潮文庫)】
2作目の三浦しをん作品、文庫で670ページもある大作です。まるで漫画のようなストーリーですが、三浦しをん1作目の『舟を編む』のように一つの事にとりつかれた人が周りの人を巻き込み思いを達成していくところが氏の作風だな、と思ったのは「3作目を読んでから言え」と叱られそうな気もします。
本作は、民間の学生寮に住み父に反感しながら走ることにかけて苦労してきた大学4年生が、新たな孤独な走りをしているスーパー新入生を発見し、彼をその寮に引き入れて既住の走ることなど全く考えてもいない8人とともに10人で箱根駅伝に挑もうというものです。この点を漫画的だと云いたいのですが読み進むにつれて現実みを帯びてきたので面白かったです。小説とはいえ箱根駅伝の歴史を変えるわけにはいかないので優勝させるわけにもいかず翌年のシード権を得るところで終わりました。箱根駅伝のことと走る人の心理をよく捉え、人としての生き方を表現した作品だと思いました。かなり前のことで曖昧ですが『舟を編む』も個性豊かな主人公の生き方を描いていたと記憶しています。


今年も小庭のクリスマスローズが咲きました。
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地植えにしてからだんだん花数が増え始めています。


【2024-03 上月正博『弱った心臓を元気にする方法』(株式会社アスコム)】
昨年12月に医学博士で2013年日本心臓リハビリテーション学会会長が上梓したもので、大きな字で読みやすかったです。再発を心配してなんとなく減塩と血圧に注意して心筋リハビリを続けていたのですが、ほぼ間違いはなかったもののリハビリはマシーンに頼るのではなくやっぱり自然の運動、つまり無理のない散歩を持続して行うことが大切だということでした。それと重い物を持つことは避けるべきとのことです。食事についても書かれていますが現状で概ねOKですね。意外と減塩についてはしつこい記載はありませんでした。塩分が血圧を上昇させその結果、心臓に負担をかけるわけなので毎日あまり厳密に塩分管理を続けなくてもむしろ血圧こそしっかり管理していればいいのではないかなと思うのです。それでいいとは書いてはありませんが喫煙については厳しく書かれています。お酒も否定されるものではなく今の自分の量よりもう少し減らせばいいのかなという感じです。しかし難しいです。それと大切なのはやっぱりストレスです、ストレスを感じやすいタイプに当てはまるのでゆったり、のんびりいくべきでしょうがこれも難しいですねえ。
簡単にまとめちゃいましたが読んでおいて良かったという印象です。

今年になって読書ペースがすっかり落ちていますが、卒業したはずの葉室麟がまた読みたくなっています。葉室麟は夜更かししちゃうので心臓にはよくありませんけど。


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『橘花抄』(株)新潮社 [読書録]

1月19日(金)未明、葉室麟『橘花抄』の残されていた10数ページを読み上げ読了。
今年の読書、最初の1作。
病気の直後であった昨年のブログ紹介文は「読書復活の余生をめざして」としていた。


昨年は40数冊を完読しているのだがほぼ葉室麟に偏っていた。遅れている今年の第1作目の『橘花抄』を以ってしばらく葉室さんからは距離をおこうと思う。
【2024-01 『橘花抄』(株)新潮社】
本作は香道と二刀流宮本武蔵を絡めながら、筑前黒田藩士兄弟の主君への仕えざまを芯として、関わる武家の女人(母、妻、娘)の家を守る生き方を記したもの。いつものことながら葉室作品は登場人物が多すぎて家系図を作成して読み進めないと誰なのか分からなくなることもしばしば。感動したとか涙が出たとか強く心に響くほどのものはなかったのだが終始退屈するようなことはなく読み終えた。

今シーズンは天候の関係で牡蠣の成長が芳しくなかったようなのだが、やっと大きくなったので今夜は牡蠣フライと豚ヒレカツ。
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ちょっと多いかなぁと思っていたのだが、熱々のうちにジュワーとした牡蠣とヒレの厚い肉感をタルタルソース、からし、ウスターソースそれぞれの味で楽しみ2人とも完食。

早い夕食だったので食後のデザートも。
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間もなく家人さんの誕生日なので前祝。

最近、右手の親指が痛かったのはこの単行本のせいだった。横になって読んでいるのだがずっと文庫本だったので。

福ちゃんも今朝から特に食欲旺盛のためヒレカツを口にしてケーキのクリームまで舐めていた。
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「早くくれー」


場所前に元気だと聞いていた高安が休場して残念、と思っていたら2日休んで復帰して勝ったのは大きいと思う。見ている方も「少なくともあと10年は目指そう」と元気が湧いてくる。

ボケ
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「こんな小さいのによく咲きますねえ」の声が多く聞こえる。


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葉室麟『霖雨』読了 [読書録]

11月5日(日)、22作目になるのか葉室麟『霖雨』(PHP文芸文庫)を読了。
これまでの作品は武術の達人が正義を掲げ、時の政と悪徳商人を粛清しようとするものが多かったのだが、本作は儒学者広瀬淡窓と商人の弟が民のための政に関わっていく内容。



全体的にしとしとと雨が降り続くように静かに暗くゆっくりとした進行で、学問が単に学問として机上のものではなく実践編としての大切さを説いた作品であった。
いつもなら二晩か三晩で読み上げる葉室作品なのだが、今回は10日ほど要した。読了して昂るような感動はなかったのだが読んで良かったとは思った。

クロタマホシクサ
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ホトトギスが満開す
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イチョウ盆栽の黄葉
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先週に続いてまた日曜日の外出がなくなった。
午後からは食料の買い物に行くつもりだったのだが、ぐだぐたと過ごしていると減塩給食もあることだからと買い物に出かけるのが面倒になる。炊いたご飯が少し余って冷凍保存してあるものも溜まってきたので、それをレンジのチンで済ます。
胃腸が下降線状態なので昨日は一食抜きで今日は減食。処方されていた薬もかえって強いのではないかと減薬。
家人さんも一緒に減食して、ウエットを好んでいた福ちゃんも昨日からドライを好むようになり、みんなで食生活を一時的に見直し中。もちろん晩酌もである。
欲よりも面倒さが優っているということなのだろう。


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やっぱり葉室麟 [読書録]

9月24日(日)、やっと涼しくなったので朝からエアコンを入れことはなく、全室の窓を開けて風を通す。もっともあまり風はなかったので空気が少し換わっただけ。
しかし、秋が来たことは実感した。


数日前に葉室麟『風かおる』を読み上げ、たまには葉室さんから離れて、と藤井聡太さんの師匠である杉本昌隆さんのエッセイ『師匠はつらいよ』を読み始めた。
『風かおる』は、直前に読んだ『潮騒はるか』と登場人物(主役4人)が同じで、こちらの方が前作であった。つまり順番を読み違えたのだが作品としては独立している。
内容はいつもの葉室作品そのものなのだが退屈することなく3夜にして読了。印象的なワードとしては「ひとは善をなすつもりで悪をなし、悪をなすつもりで善をなしてしまう生き物なのだ」があった。大小は別にしてありえることだと思う。
『師匠はつらいよ』は師匠ならばこその藤井聡太さんの裏話などに期待していたのだが、そうはいかなかった。考えてみれば師匠が弟子を利用して週刊文春に連載などできるはずはない。5夜読んでもまだ半分もいかないのでちょっと中休みとして、また葉室麟『おもかげ橋』を今日で3夜目、最初から惹きつけられ、たぶん今夜中に読み終えると思う。


今日は外出しない日と決めていたので終日インドアー。
福ちゃんは毎日インドアーなので、今日のように窓を全開するとしばらくの間は外気を吸っている。
だけど前脚も曲がって歳が見える。
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昼間はほとんど眠っていて夜中に「エサ欲しい」アピールで困らせてくれる。
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一方、アゲハは朝羽化してドアーを開けたときに飛び立つことが多いことに気付いた。
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先日、同人誌『山波』の代表をやってもいいという人から、「自分の力では無理だということが分かり、ご足労をおかけして申し訳なかった」と連絡あり。


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雨が降るとカタツムリ [読書録]

9月18日(金)、葉室麟『潮騒はるか』を読了。
2カ月ほど前に一度読み始めて40ページくらいでつまずいたのだが、改めて読み始めたらすんなりと3夜ほどで読み終えた。


こういうケースは珍しく、これまでは一度失敗すると再び読み終えることはないことが圧倒的に多い。それほど葉室麟は読みやすいということと、結構名文があるので勉強したつもりになることがいつまでも卒業できないところ。
よって、新たに葉室麟を6冊発注してしまった。間に藤井聡太さんの師匠である杉本昌隆さんの『師匠はつらいよ』とテレビ朝日の金曜日にコメンテーターを務めている脳科学者である中野信子『脳の闇』を入れて計8冊。4、5日で届くので読書の秋というところ。


一昨日、久しぶりの1日中雨でカタツムリが出てきてドクダミを食べているのか。
梅雨のころに出てきた個体より若いような気がする。
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このところ小庭の花は全くといっていいほど観られない。先週末に行った星が丘で観たグロリオサは、去年も同じような写真をアップしたと記憶している。
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『潮騒はるか』は幕末期に鍼灸師の菜摘(なつみ)が、弟の恋人の姉が夫殺しの冤罪で囚われ、菜摘の蘭方医学を学ぶ医師である夫と弟とともにそれを晴らしていこうとする物語。福岡藩と長崎藩の役人らの縦割り構造の絡みやオランダ人医師のポンペ、シーボルトの娘いねなども登場させて展開していくところが面白く、特に熱することもなく淡々と読み上げた。

読書の秋だけでなく自分の体力を確認する意味でも秋の釣行スケジュールを組んだのだが、筋違いの配慮があったのか思うようにいかないので今日も雑用を入れざるえなかった。ほとんど全ての趣味を止めたので、やり残している事務作業を進めたいのだが不思議と毎日雑用が生じて進行具合はカタツムリの歩きの如し。


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葉室麟『蛍草』読了 [読書録]

8月25日(金)、同人誌『山波』の終刊号を発行する直前に読書から遠ざかっていた。
久しぶりに葉室麟の『蛍草』(双葉文庫)を読み始めたら全く留まることなく、次から次へと読み進み二夜で読んでしまった。


葉室作品は最初から一挙に惹きつけられて読むケースと、しばらく我慢して読み進んでから惹きつけられていく2つのパターンがあって、ハズレはほとんどない。下手なテレビドラマを観ているよりよほど幅広く、人物像とか斬り合いのシーンなどの想像力が掻き立てられて面白い。
本作は二十歳くらいの娘が切腹した父の敵討ちとして策略家剣士に立ち向かうという物語なのだが、その過程において素晴らしい人達に巡り合って成就するのであるが、敵討ちをするところにいたる最終部分がやや唐突だった。そこに至るまでの人間関係を主題としていた作品なのだろう。
章の変わる部分で短文のソッと風景描写が挿入されるのも葉室文学と云われる所以か。
双葉社に約束された日本晴れの読み心地を味わった。

昨日から盆栽の北山杉にカマキリがしつこくへばりついているのだが、悪者の剣士のようである。
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一昨日、藤井聡太さんが王位戦を制していよいよ八冠に向かった。最近の藤井さんの棋風には広い陣形を構えて守りを固めつつ、1か所に突破口を開いて攻めるのではなく広範囲に布石をしつつ攻め入っていくように感じる。今回の盤面中央部の5六角打ちは何のためだったのか私にはミスのように思えて全く分からかったのだが、立会人の中村九段によると強い手で佐々木さんの攻撃をかわした名手だったようだ。
同日、107年ぶりの快挙があるかもしれないと、今夏初めて高校野球もTV観戦した。勝敗よりも試合後の両校の勝って驕らず負けて腐らず(勝者を称える)のマナーが話題になったほど両軍選手の笑い顔が清々しかった。


医療用給食が続いていて、今日は4日ぶりの手作り夕食で感激。
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アツアツのヒレカツをたっぷりいただいて満足。
調子に乗ってビール250cc缶とウイスキーをシングル2杯(ダブルで1杯は許可されている)を飲む。たまにはビール250ccくらいのオーバーは許されるだろう。

大島選手の2000本安打を見たかったのだが、中日の惨めな負けっぷりを観た(2対18と鬼の立浪)、ことを除いて総じていい日であった。


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『祖母姫、ロンドンヘ行く!』読了 [読書録]

5月5日(金)、いつもの和菓子店でこし餡とつぶ餡の柏もちを購入したら、みそ餡の柏もちをおまけで1個いただいた。こんなのがあるのですか、と驚いたら「今流行ってますよ」と女将さん。



右がみそ餡
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味と舌触りは白味噌風味のこし餡風であまり甘くはない、というか塩分が強そうなので半分にしておいた。


椹野道流『祖母姫、ロンドンヘ行く!』(小学館)を読み終えた。
80代前半と思われる祖母が「お姫さまなようなイギリス旅行がしてみたい」と言ったことから、伯父をはじめ親戚縁者の応援で、まだ20代と思われるころの著者が秘書として五泊七日の旅行に出かけたときのエッセイ。
医師である著者が英国へ留学した経験があったことと費用は伯父らが負担してくれたからこそ成立した豪華な旅。買い物と食事や博物館などの見学を楽しむときどきに祖母姫さんのしっかりとした貴婦人らしい一言には可愛らしさと育ちの良さが窺がえて感心する。また高級ホテルのバトラー(上級客室係)とのやり取りは淑女でもある。
帯に「底抜けにおもしろく、やがてホロリ」とあるが、どちらもそれほどでもない。笑えるのはくすくす、という程度で、ホロホロというのは15~18章(コンテンツ)のことであろう。それは著者の留学当時の恋人(ソウルフレンド)に祖母が寝入ってから会いに出かけることをホテルの客室係が徹底したサービス精神で連れて行ってくれたのだが、結果的に会ってはみたものの長く離れていたことにより両者にそれほどの感慨はなかったというもの。
著者「会えて嬉しかったし、楽しかったし、大好きな気持ちは変わらないけど、お互いの心の距離は……確実に離れているなって感じ…」、ということ。タイトルとはズレるのだが読ませどころはこのあたりだった。
それと英国文化の紳士性について、なるほどと思うところがたくさんあった。
文体としては椹野流と云っていいのか現代的(今流)な珍しいテンホを感じた。

今週の「石見の喫茶店」
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テッセン

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文目(あやめ)、梅花空木(ばいかうつき)、梅花つつじ


午後、やることもないので葉室麟『蜩ノ記』を左目で読み、右目でしかたなく中日×巨人を見ていたら緊急地震速報。震度6強が石川県珠洲市、地域的に比較的軽微な損壊であったが都市部だったら大きな被害になったことだろう。
たまたま中日は逆転勝ちしたもののこのところの負けっぷりは目を覆うばかりだった。貧打のうえに四球、死球、エラーの連続は選手が委縮しているように見える。もしかすると監督が裏側で陰険なのかもしれないと思う。ヒットは打っているんだからエラーが続いたとはいえ大島のスタメン外しはないよなー。


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『水を縫う』を読み終えて [読書録]

4月2日(日)、どうも中日は今年も打てなさそう。
そして選手がみんな小さくて細い。怖そうな選手もいない。
今年も春先だけであーあ、と、なりそうな気配がする。


庭梅は、毎年間違いなくパーっと咲いてくれる。
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寺地はるな『水を縫う』(集英社)を読了。
初めて接した作家の作品で感ずるものがあったときはだいたい連続してもう一つ読むことにしている。
本作は主人公である高校一年生の清澄(きよすみ)が、姉の水青(みお)のウェデイングドレスを作ってあげるというだけの簡単なストーリー。ところがこれがなかなかなか読ませるもので名作だった。男の子なのに小さいころから手芸に興味を覚え特に刺繍が好きな清澄。一方、水青は幼い頃の体験から女の子なのに「かわいい」と言われたり、かわいく見られることが嫌い。結婚式もあげたくないくらい。離婚した母さつ子は、市役所に勤務しつつ2人を育て「普通」に教育することで精一杯だった。家族がギクシャクしないようにホローしていたのが祖母の文枝。水青は派手な飾りのウェデイングドレスが嫌いでシンプルなのがよいという。そんな姉のために清澄がウェデイングドレスを作ってあげると言う。
母のさつ子からすると世間的に普通であって欲しいのだがうまくいかない。
清澄も結局は姉が思っているようなウェデイングドレスを作ることができず、たまに会っている父の全(ぜん)に応援を頼む。全はプロの服飾デザイナーなのだが普通の社会人としての良識がない人。今更父だからといって娘のドレスは作ることはできないと断る。困り果てた清澄は父の友人であり雇用主でもある黒田さんから父を動かしてもらった。詳しい内容を聞いた全は、「本人が着とって落ち着かんような服はあかん」と、吸湿性に優れ重ねれば暖かいガーゼの生地を選んで体に巻き付け、つまんだり折りたたんだりしてギャザーやプリーツを作りあげて、ピンで留めていく。瞬く間にドレスのかたちに変化した。水青も納得した。その後そのドレスに清澄が独りで白糸と銀の糸の針を入れ、流れる水のような刺繍を入れ(縫っ)た。流れる水は淀みがないということ。
最後は、出来上がったウェデイングドレスをみんなが感嘆の目で見るであろうというシーンで終わる。
男は男らしく、女は女らしく普通であることって何なんだ、を問うている作品。
著者は多くの部分を接続詞なしの短い文で書いているのだが、決して無理をすることなく上手くつないでいるのが印象的。また6章からなる各章を清澄、水青、紺野(婚約者)、文枝、黒田、全にそれぞれを語らせて話を進めていた。特に最終章のウェデイングドレスが出来上がったシーンの描写は感動的であった。
もう一冊読んでみたくなる作家だ。


今月の盆栽カレンダー。
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一位 樹齢約120年  添え オトメキキョウ

  山姫も花の衣ぬぐ卯月かな  宗砌


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『川のほとりに立つ者は』 [読書録]

3月26日(日)、今月になって3冊目の読了。それでも一時の読書意欲が旺盛のころと比較すると50%以下。久しぶりに三洋堂で購入した本屋大賞ノミネート作品、寺地はるな『川のほとりに立つ者は』(双葉社)。


  これも若い男女のラブストーリーとも云えるのだが『桜のような僕の恋人』と比較すると全くラブストーリーらしくなく気がつけば恋していたという展開。その展開なのだが各章が主人公の清瀬(女性)とその恋人松木の日記のような形式をとりつつも、内容表現は日記ではない。
 しかも『夜の底の川』という本の内容に添わせたような形式で話を進めている。この『夜の底の川』も創作だろうと思うのだが、そうだとすると同時に2冊を読書したような気持ちにもなる。もっともこちらはとても浅い。
 最初は推理小説を買ってしまったのかと少し反省したのだがそうではなかった。清瀬の友人と松木の友人をそれぞれ登場させ、松木の友人には外見からは全く分からない障害があり、松木はその友人に寄り添っていく。清瀬の職場にもやはり外見では分からない部下の障害者を登場させ、清瀬の方は逆に助けられつつ教えられることが多く、本書は障害についてのテーマにも取り組んでいるようだ。
 また女性虐待についても触れつつ、全体としての大きなテーマとして「人を信ずる」ということにを追究している作品だと思われた。
 展開の仕方が特異であり「推理」、「恋愛」、「障害者」、「人を信ずるとは」などの欲張ったテーマをよく整理して静かにまとめ上げたいい作品だった。
 なお最終ページには小文字で「小説推理」に連載されたものを改題し加筆修正したものであると付記されている。


小雨の中、枝垂れの源平の桃が満開を迎えた。
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夏燃える [読書録]

8月2日、7月の日照不足が戦後最短だったという今年、梅雨明けが宣言されたら一挙に夏だ。
ケイトウの葉も油断していたら1日で焼けて反り返ってしまった。

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花入れは東北大地震が発生した頃、先輩に助けてもらった作陶、絵付けは家人さん。
あの地震の日は1人でロクロを回している時に緊急地震速報が鳴った。まさかあんな大地震とは思ってもいなかったので作陶を続けていた。
別の陶芸教室の先生に「花入れに花の絵はないだろう」と注意された記憶がある。私には決してそんな考え方はなく、もっと自由であっていいはずだ。

盆栽連盟の役員と広報を担当していた時、連盟の活動報告で震度7が続いた熊本地震について書いた記憶がある。

昨日(8/1)、だるまさんから借りた『少年と犬』、近年になく一気読みができた。
多聞という名の犬が、東北大地震と熊本地震を結びつける作品であった。テンポと歯切れのいい文章で犬の特徴をよくとらえた感動の名作だと思った。
既に次の読み手が待っているらしいので、読後感想を書いている時間がない。
書き置いても、どうせすぐに忘れてしまうので、以上の程度で感想としておく。
定年後の【読書NO.360】馳 星周著『少年と犬 』(文藝春秋) 2020年5月15日 第1刷発行 2020年7月25日 第4刷発行
8月2日 読了。

明日(8/3)、だるまさんに再び星が丘ギャラリーで会って返却する予定。
コロナは今日も拡大路線。


照ノ富士が一発で優勝を決めた、1度地獄を見た男の底力を感じた。


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すべって、ころんで、さあタンゴ ! [読書録]

4月18日、午前中までの雨かと思っていたら、午後も何だか不安定。
昨日植えたミニトマトの苗が、折れはしないかと心配していたのだが、それほど強い春の嵐ではなかったので安心した。


一昨昨日、関わっている同人誌『山波』の事務局も務めているだるまさんが『すべって、ころんで、さあタンゴ! 』(風媒社)を贈ってくれた。

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だるまさんの文章の先生で、シナリオライターの芳賀倫子さんが上梓した60編からなるエッセイ集。
各編とも3頁でまとめられて読みやすく、何よりも結びの一言がしっかりと〆られていて面白かった。文章はつくづくセンスだなと思う。
そして、まるでワイドショーが取り上げるようなマルチな出来事を取り上げ、その幅広い知識と興味心に驚く。
さらに、氏の文章には名古屋人ならではの雰囲気が漂っているのが嬉しい。巨人がいるからセ・リーグが嫌いなどとは最たるものだ。政権批判の姿勢もいいねえ。
おわりに、講師らしく春日井市(愛知県)でのエッセイ講座の「やさしい文章の書き方」も示されている。
忙しがっている私としては、昨日から雨だったことも幸いして珍しく速く読み上げることができた。因みに読了を目指していた『木村正彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』が不完全燃焼に終わったところだったので、短期間に読めた達成の喜びも大きかった。
定年後の【読書NO.359】芳賀倫子著『すべって、ころんで、さあタンゴ! 』(風媒社) 2020年3月25日 第1刷発行
4月18日 読了。

そういえば、だるまさんは先週出版された『山波194号』の私の原稿について、何もコメントをくれなかった。よーく考えてみるとこの本のプレゼントが「もっと上手な文章を書けよ!」と言う、厳しいメッセージなのだろうか。
勉強したので「次号を読んでくれッ!」と、言っておきたい。


今日も自粛ムードで閉じこもっていたのだが、夕方ちょっとだけ外へ出てみたらキングサリが全開していた。
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小庭造りのために購入した細くて小さい木なのだが、成長が早いと聞いたので選んでみた。
まだ1mあまりの可愛い子である。


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『自分が高齢になること』 [読書録]

12月6日、朝食を終えると、今日の昼食と夕食は何にしようかと考える日が多くなっている。
そんなことでも、楽しみにすることも認知症にはいいそうだが、もっと楽しいことはないのだろうかと考えてしまう。

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【読書NO.358】和田秀樹著『自分が高齢になること』株式会社新講社 2018年6月27日 第1刷発行 2019年9月5日 第17刷発行
12月6日 読了。
老年精神神経科医が、主に認知症について記したもの。10万部も突破しているらしいので手にしてみたが、あまりにも簡単すぎて早朝の寝床で2日間で読んでしまった。最近は、遅読傾向であったので信じられないくらいの早さであった。
認知症は、年を取れば肉体の老化と同じように脳も老化するのだらから心配することはない。むしろ認知症になることで幸せな時間が得られることもあるので安心しなさいという程度の内容。
72箇条で述べられているのだが軽すぎて、概ね知っていることばかり。
認知症介護についての書物は、親の介護が前提になっていることが多いのだが、そうでない場合も結構あるはずだ。そうでないケースについても記されていると良いと思うのだが。

一方、こちらの前書はたいへんな読書日数を要した。
主に就寝前だったので、面白かったのにすぐに眠ってしまい読後感想がまとめられないほど記憶も飛んでしまっている。
老化である。

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【読書NO.357】花田紀凱・門田隆将『「週刊文春」と「週刊新潮」 闘うメディアの全内幕』株式会社PHP研究所 2018年1月5日 第1販第1刷
12月3日 読了。
週刊文春の元編集長である花田紀凱と元週刊新潮のデスクであった門田隆将の対談集。
門田隆将の著書は何冊も読んでいるが、これが花田さんだという著書は読んでいない。
月刊「Hanada」の編集長であるので同誌の創刊号からは何冊か読んでみた。当時の内容がどうだったのか記億はないが、新聞に掲載されている最近の「Hanada」のタイトルを見ると、ちょっと偏りすぎているのではないかと、購入する気にはならない。
ところが本書でこれまで書かれていた事件の「週刊文春」のタイトルは、みんなうまいと思う。販売部数を上昇させたのは、このタイトルで読者を引き付ける力だったのだと思う。
テレビや新聞で見る話題や事件の知らされない、より深い事情までよく知ったうえの2人の対談なので裏事情も聞かれて面白かった。
ただ、近年の不倫や芸能ネタについていはいただけない。
売れるものを毎週作りあげなければならない週刊誌の大変さや、両誌の繁栄と衰退の歴史も、よく知ることもできた。
そして、2人(その組織を含めて)の取材力と表現力の高さもうかがえた。
少なくとも、告発型ジャーナリズムの両誌は、今後も何とか残っていってもらいたい。


今日のお昼前であったが、速達郵便を届けてくれた局員が、「こういう人が同居しているのであれば届けてほしい」と家人に言っていた。
私が出て行ってたら、明らかに発信人の宛名違いであり郵便物の内容も分かっている。局員は、宛名が違うので(私に渡していいかどうか)発信人に確認すると言う。全責任を私が負うからと、もらった直後、同居人と誤認された友人から電話があった。友人のところへも別の名前で速達が届いていたらしく、発信人は同じ。
友人のところまで高速を飛ばして確認したが、もう明らかに発信人である会社の大きなミス。
どうも5百人あまりに誤配したようだ。
その会社に苦情照会の電話をしたのは、私が1番だったらしく、その後の同社への苦情照会電話には、私のおかげですんなり対応できたらしい。
原因は、どうも住所と宛名がズレたデータを下請け会社に渡してしまったミスのようだ。
余談だが、日本郵便の速達の届く時間がほぼ同時であった正確さには感嘆した。
ということがあって、予約してあった整形外科のリハビリに間に合わなくなってしまった。

夕方の「星が丘」
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そうなると、腰も「こけちゃいました」の大腿部も、急にとても痛くなってきたので困る。
もっと楽しいことはないのかと、朝から愚痴っていたので罰があたったようだ。

今日、一番良かったことは、友人宅で初めてトイプードルの六ちゃんに会えて、私の靴下を何度も咥えて引っ張ってくれたことである。
六ちゃんは、まだ5歳なのだ。



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介護 [読書録]

9月17日、最高気温がまだ33度もあったようです。
当地では、また、雨が無いので欲しくてたまらないのです。
菜園や盆栽も雨があるかないかで、1日の自分のスケジュールが大きく左右されるので。

未明に読了。
【読書NO.356】片寄斗史監修 いきいき編集部編『 いつかはやってくる  親の介護が私を変えた 第一集』
発行人 黒坂勉 発行所 ユーリーグ株式会社 19999年11月130日 第1刷

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最近は眠る前に読んだ内容を、起きてみるとほとんど忘れているので、夜の外呑みと同様に夜読みは止めたほうがいいのかもしれません。

障がいのある人や認知症の人の介護と医療に関する著書を直近に4冊読んできました。
特に2025年には高齢者の5人に1人が認知症になるであろうと、大きな社会問題となっています。
今こそよく考えてみないと、と思っていますが、もう遅いのかもしれません。

この著書は、雑誌『いきいき』に連載されてきた著名者15人の親の介護体験を、記録編集されたものです。
15人の体験談をまとめれば、認知症の人に対しては「本人の意思、人権を尊重すること」が大切ですと、皆一致しているところです。
ただ、介護のプロに任せる方が良いのか、家族の在宅介護が望ましいのかについては意見が分かれているように思われました。
日本テレビのアナウンサーだった小林完吾さんは、元々親の介護は「子(家族)の務め」というご意見のようです。
私としては、否定はしませんが介護にあたる人の「優しさ」の問題によるところが多いのではないかと思います。
仕事を持っている女性は、できる限り介護サービスを利用しながら家族も看ていきたいという意見が多かったように思いました。
折衷案的に採用するのであれば、行政のサービスを目いっぱい獲得しつつ、私的な介護サービスを併せて、家族みんなで介護の態勢を作り上げることが理想かな、と考えます。

ただ、私もそうですが、日本の社会保障の矛盾を強く感じている人も多いようです。
なかでも、母親の介護にあたった舛添要一氏ですら「介護の現場にいると、役人が頭のなかでつくったシステムがいかに現実に通用しないかを痛感させられた」と言っていたのは、面白かったです。また、同氏の場合は、介護を理屈で推進していきたいという感じを強く感じられました。
他にも、日本の福祉制度は、現場にいない人がつくっているから矛盾だらけ、という人もいます。

介護も含めて、ひっくるめて「自分の人生だ」と考える人もいるひともいました。
橋幸夫さんは
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介護には、これが当然というマニュアルはないですね。
基本は、認知症の人ご本人を説得しようとすることより、本人が納得できるようにすることが重要で、その態勢を作っていくのが家族の役割ということになるのでしょう。

これまで読んできたものは、やや古いものなので、次は現在に近いものを読んでみたいと思っています。
当地では、医療と介護は別だと云う医師や役人がいたので、特に行政の取り組み姿勢がどう変化してきて、その効果があったのかどうか確認してみたいと思うところです。


今朝は、燃えるゴミ出しの日なので、ゴミを集積場で降ろした後、菜園で秋採どりキュウリの植え付けをする予定で出かけたのですが、ゴミを出し忘れて先に菜園へ行ってしまいました。
昨日は、そのキュウリの苗を積み忘れて菜園へ行ってしまったので、今朝の植えつけになっているのです。
自分の介護態勢を、自分で早くつくりあげておかないと、と焦ります。




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それなりに [読書録]

8月31日読了。
【読書NO.355】樹木希林『樹木希林 120の遺言 死ぬときぐらい好きにさせてよ
宝島社 2019年2月11日 第1刷発行

クリニックの待合室の書棚に約半年間置いてあった。
読んでみたいという興味はあったが、待合室で読むほどの時間はないし1200円+税を出費するほどの興味はなかった。
関わっている同人誌「山波 192号」を院長に読んでもらい、「いつまででもいいですよ」と貸して貰った。貸してほしいと言った記憶は無いが、興味を示したようなことは発言していたのかもしれない。
いつまでもとはいけないので、最近の私としては比較的早く読むことができた。
元々樹木希林さんの名言集なので、簡潔な文章でもあったからだ。

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わたしにとって樹木希林さんはそれなりに印象深い人であった。
大好きなのは、何てったってこれです。
「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに」

ほとんど固まって元気のなかったイワヒバを今年の春から、いつも水が2㎝ほどの深さで入れ替わる処の日陰に置いていたところ、それなりに奇麗に開いていきた。
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120の遺言のなか、いくつか印象に残ったものを取り上げる。

> どうぞ、物事を面白く受け取って愉快に生きて。あんまり頑張らないで、でもへこたれないで。
 希林さんは真面目な人なのだと思う。頑張ってしまうタイプなのだろう。

> まあでも病気をしてから少し謙虚になりました。
 元々実際は、謙虚な人であったのではないかと思う。

> 歳を取ったら、みんなもっと楽に生きたらいいんじゃないですか。
 なかなか、そうはできません。つい熱くなってしまう。

> 不自由なものを受け入れる。その枠の中に自分を入れる。年とるというのは、そういうことです。
 私の場合は、やっぱり腰痛、それを受け入れながら何とか行動している。

> 寺内きんの役をやってて痛切に思うことは、ババアこそ革命を起こせる唯一の存在ってこと。
 希林さんについての私の最初の印象にあるのは、やっぱり「寺内貫太郎一家」である。
 ババアについては、そうかもしれないと思う。

> 人の悪口を言ったことがないのよ。そこが好き。男はそれでなくちゃね。
 内田裕也氏は、私が思っていたよりかなりいい人であったことを、本書で知った。

> 来世で出会わないために、今完璧に付き合いるのよ。
 裕也氏のことであるが、希林さんにとって大変に必要な人だったようだ。だったら一緒に生活していられなかったのかと思ってしまう。

> 内田さんがおかしくて、私がちゃんとしてるふうに思われた時期もあるのね。
 希林さんがどこかへ飛んでっちゃうか分からないような人で、内田さんが希林さんの重しだったらしい。その重しのぶんだけ内田さんの税金や保険料も払っていたとは、面白い。

> 彼と一緒にいると、自分は意外とまともなんじゃないかと、楽な気持ちになれた。
 若い時は希林さんが激しい感情や自我抱えていて、さらに激しい裕也氏が激しくて自分が救われたというもの。

> こうしちゃいけない、ああしちゃいけないというものの中からは、人は育たない気がする。
 そうでしょうが、中々難しいことだと思う。

> 家は女がしっかりしないとダメ。カカア天下くらいでちょうどいい。
 認めるしかない。

> 社会に出て挫折するとまずいから、わたしのとこころで傷ついていいかなって。
 こども教育のことであるが、そうだと思う。

> 世の中をダメにするのは老人の跋扈。時が来たら、誇りを持って脇にどくの。
 自分も半分世の中をダメにしているのかもしれない。まだ誇りが持てないからかな。

> 「好きな事をやって食えるようになりたい」というのは、おこがましいということですよ。
 しかし、うらやましいことである。

> 「いつかは死ぬ」じゃなくて「いつでも死ぬ」という感覚なんです。
 希林さんの云うとおり、それはやっぱり「今年の春から、いつも水が2㎝ほどの深さで入れ替わる日陰にイワヒバを置いていおいた、それなりに奇麗に開いていきた。覚悟」だろうな。

> 年を重ねるごとに力のあるいい顔になりたいんです。
 熊谷守一さんのようにと思ってのことだが、希林さんでなくて、私にとってはかなり難しいことだと思う。


> 覚悟っていうのをすると気楽ですよ。
 自分がいなくても周りの人がちゃんと生活していくと確認できればである。その意味では今の私は覚悟ができない。

> 終了するまでに美しくなりたい、という理想はあるのですよ。
 形に出てくるものではなくて、心の器量のこと。誰しも想うことだろうと思う。

ご冥福を祈るしかない。



 
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