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『祖母姫、ロンドンヘ行く!』読了 [読書録]

5月5日(金)、いつもの和菓子店でこし餡とつぶ餡の柏もちを購入したら、みそ餡の柏もちをおまけで1個いただいた。こんなのがあるのですか、と驚いたら「今流行ってますよ」と女将さん。



右がみそ餡
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味と舌触りは白味噌風味のこし餡風であまり甘くはない、というか塩分が強そうなので半分にしておいた。


椹野道流『祖母姫、ロンドンヘ行く!』(小学館)を読み終えた。
80代前半と思われる祖母が「お姫さまなようなイギリス旅行がしてみたい」と言ったことから、伯父をはじめ親戚縁者の応援で、まだ20代と思われるころの著者が秘書として五泊七日の旅行に出かけたときのエッセイ。
医師である著者が英国へ留学した経験があったことと費用は伯父らが負担してくれたからこそ成立した豪華な旅。買い物と食事や博物館などの見学を楽しむときどきに祖母姫さんのしっかりとした貴婦人らしい一言には可愛らしさと育ちの良さが窺がえて感心する。また高級ホテルのバトラー(上級客室係)とのやり取りは淑女でもある。
帯に「底抜けにおもしろく、やがてホロリ」とあるが、どちらもそれほどでもない。笑えるのはくすくす、という程度で、ホロホロというのは15~18章(コンテンツ)のことであろう。それは著者の留学当時の恋人(ソウルフレンド)に祖母が寝入ってから会いに出かけることをホテルの客室係が徹底したサービス精神で連れて行ってくれたのだが、結果的に会ってはみたものの長く離れていたことにより両者にそれほどの感慨はなかったというもの。
著者「会えて嬉しかったし、楽しかったし、大好きな気持ちは変わらないけど、お互いの心の距離は……確実に離れているなって感じ…」、ということ。タイトルとはズレるのだが読ませどころはこのあたりだった。
それと英国文化の紳士性について、なるほどと思うところがたくさんあった。
文体としては椹野流と云っていいのか現代的(今流)な珍しいテンホを感じた。

今週の「石見の喫茶店」
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テッセン

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文目(あやめ)、梅花空木(ばいかうつき)、梅花つつじ


午後、やることもないので葉室麟『蜩ノ記』を左目で読み、右目でしかたなく中日×巨人を見ていたら緊急地震速報。震度6強が石川県珠洲市、地域的に比較的軽微な損壊であったが都市部だったら大きな被害になったことだろう。
たまたま中日は逆転勝ちしたもののこのところの負けっぷりは目を覆うばかりだった。貧打のうえに四球、死球、エラーの連続は選手が委縮しているように見える。もしかすると監督が裏側で陰険なのかもしれないと思う。ヒットは打っているんだからエラーが続いたとはいえ大島のスタメン外しはないよなー。


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