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葉室麟『蛍草』読了 [読書録]

8月25日(金)、同人誌『山波』の終刊号を発行する直前に読書から遠ざかっていた。
久しぶりに葉室麟の『蛍草』(双葉文庫)を読み始めたら全く留まることなく、次から次へと読み進み二夜で読んでしまった。


葉室作品は最初から一挙に惹きつけられて読むケースと、しばらく我慢して読み進んでから惹きつけられていく2つのパターンがあって、ハズレはほとんどない。下手なテレビドラマを観ているよりよほど幅広く、人物像とか斬り合いのシーンなどの想像力が掻き立てられて面白い。
本作は二十歳くらいの娘が切腹した父の敵討ちとして策略家剣士に立ち向かうという物語なのだが、その過程において素晴らしい人達に巡り合って成就するのであるが、敵討ちをするところにいたる最終部分がやや唐突だった。そこに至るまでの人間関係を主題としていた作品なのだろう。
章の変わる部分で短文のソッと風景描写が挿入されるのも葉室文学と云われる所以か。
双葉社に約束された日本晴れの読み心地を味わった。

昨日から盆栽の北山杉にカマキリがしつこくへばりついているのだが、悪者の剣士のようである。
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一昨日、藤井聡太さんが王位戦を制していよいよ八冠に向かった。最近の藤井さんの棋風には広い陣形を構えて守りを固めつつ、1か所に突破口を開いて攻めるのではなく広範囲に布石をしつつ攻め入っていくように感じる。今回の盤面中央部の5六角打ちは何のためだったのか私にはミスのように思えて全く分からかったのだが、立会人の中村九段によると強い手で佐々木さんの攻撃をかわした名手だったようだ。
同日、107年ぶりの快挙があるかもしれないと、今夏初めて高校野球もTV観戦した。勝敗よりも試合後の両校の勝って驕らず負けて腐らず(勝者を称える)のマナーが話題になったほど両軍選手の笑い顔が清々しかった。


医療用給食が続いていて、今日は4日ぶりの手作り夕食で感激。
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アツアツのヒレカツをたっぷりいただいて満足。
調子に乗ってビール250cc缶とウイスキーをシングル2杯(ダブルで1杯は許可されている)を飲む。たまにはビール250ccくらいのオーバーは許されるだろう。

大島選手の2000本安打を見たかったのだが、中日の惨めな負けっぷりを観た(2対18と鬼の立浪)、ことを除いて総じていい日であった。


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